こんにちは!AzuYahiです。
前回の続きです。
応接室に入った僕を確認した強面の男は僕に向かって頭を下げ、自己紹介をはじめました。
私はTといいます。宜しくお願いします。今日はAの交渉に同席させてもらってもよろしいですかね?
見た目とは裏腹に紳士的な態度でした。
だけど僕の経験上こういう奴が一番危ないんですよね・・・。
僕は作成した図面を広げるとAとTに道路拡幅における用地の説明を行いました。
話の途中でAは疳高い声で叫びはじめました。
ほら!やっぱインチキだ!こいつインチキだ!
こいつに何を説明しても無駄だなと呆れている中、TはAに突然怒鳴りつけた。
てめぇーまだ話の途中だろうが!!ギャーギャー騒ぐとぶっ殺すぞ!!
もの凄い啖呵にAはもちろんのこと、僕もかなりビビってしまいました。
どん引きしている僕に気がついたTは笑顔で僕に言いました。
中断させて悪かったね。話を続けてくれるかな?
僕は気を取り直して説明を続けました。Aは先ほどとは違ってとても大人しくなりました。よほどTが怖いんだろうなぁと思いました。
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説明が終わるとTは腕を組んでしばらく考えてからとても穏やかに言いました。
あずやひさんの言うことはとても理解できました。おそらく調査の結果も間違いは無いんでしょうね。それを踏まえてお願いがあるんですが・・・・。
なんでしょう?
僕が聞くとTは僕に顔を近づけて言いました。
ここだけの話ですがね、調査結果ってあずやひさん次第でどうとでもなるんじゃありませんか?登記簿が間違っているってことにしてもらえればそれですむ話じゃ無いかと思うんです。
調査の結果は登記簿と実測は一致しておりましたので、僕の権限ではそれを覆すような結果は出せません。
僕が答えると、Tは更に僕を説得してきます。
いやいや、ただでとは言ってないですよ。こちらに優位な結果を出していただければ報酬はお支払いします。あずやひさんにとっても悪い話では無いかと思うんですがね。
僕はこいつはマジやばい奴だと思いました。
申し訳ありませんがそちらとの交渉には応じかねます。調査結果に異議申し立てがあるのでしたら直接役所に行ってもらえるともっと建設的な話ができると思います。
役所に行ってもイタチごっこで前に進まんからあずやひさんにこうやって頼んでいるんですがね~。どうしてもだめですか?
お断りします。
そうですか・・・・。そうそうあずやひさんってご両親は健在ですか?
ええ。それが何か?
ご両親交通事故にあわなきゃ良いですね(笑)
Tは本性を現しはじめました。
恐怖というより僕はTに対してもの凄い怒りを憶えました。
それって脅迫ですかね?
とんでもない!心配しただけですよ。不慮の事故って突然起こるものですからね。
ただのチンピラであればどうってことないのですが、本職絡みであればかなり面倒なことになるのであまり関わり合いになりたくありませんでした。
なんにせよ、この件に関しては私にはこれ以上どうすることもできませんので、役所と直接交渉するようお願いします。それでは失礼します。
僕が席を立ち応接室を出ようとすると、Tは叫びました。
あずやひさん!!
僕が振り向くとTは笑顔で言いました。
またお会いしましょう(*^_^*)
Aは僕を指さして「ロックオーン」って叫んでいました。まじ殴りたかったです。
つづく