僕が20歳の時の話。
僕は友達3人と札幌のすすきのに遊びに来ていた。
まずは腹が減ったのですすきので有名なジンギスカン店へ食べに行った。
ジンギスカン屋を出ると友人の一人が言った。
「せっかくすすきのに来たんだからキャバクラにでもいこうよ?」
僕はキャバクラというところに行ったことがなかったので少し興味はあった。
「いいけど、そんなに金持ってないよ。」
「だったら安いところ探してみようよ。」
僕たちはキョロキョロしながらすすきのを歩きまわった。
3000円ぽっきり、5000円ぽっきり
派手で賑やかな店の前には広告が書かれた看板がおいてあった。
安いのか高いのかは良くわからないが、キャバクラがこのくらいの値段であれば余裕で入れると思った。
そんな時、僕は歩きながらあることに気がついた。
友人のAがいつの間にかいなくなっている。
僕たちは来た道を戻ってAを探した。
すると道路の反対側でお~いと呼ぶ声が聞こえた。
Aは知らない人と一緒だった。
僕たちは駆け足でAがいる場所まで移動する。
「この人がかわいい女の子が沢山いるお店を安く紹介してくれるって!」
目を輝かせながらAは僕に言った。
Aと一緒にいる人は小柄だけどなんとなくカタギの人間には見えなかった。頬に刃物でえぐられたような傷があったからかもしれない。
スカーフェイスのお兄さんは僕らに説明を始めた。
「本日限定のめちゃくちゃおいしい話がありますよ!たった3000円で時間無制限飲み放題!しかも女の子たちは芸能人並みの美人ぞろい!そしてとっておきにここでは言えないような凄いサービスがありますよ。」
僕達3人はとってもおバカだったので、
マジか!!行くしかない
とすんなり怪しいお兄さんについていくことに。
そして繁華街から外れた古びたビルに連れていかれる。
流石に僕は怪しいと思ったので友人達に相談してみる。
「なんか怪しいところに誘導されてる気がするんだが・・・。」
友人たちも僕と同じでそうとう不穏な空気を感じ取っていたようだ。
僕たちの会話を聞いていたスカーフェイスのお兄さんはすかさずフォローを入れる。
「隠れスポットっていうのはこういう目立たない場所に店を構えるものなんですよ」
僕たちはそれを聞いて一致団結。
なるほどね!
ええ、全員バカw
そして僕たちは店の入り口で一度止められた。
入り口から店員らしき怪しいおっさんが出てきて前金で6000円払えと言う。
当初3000円だと言っていたので僕は話が違うと訴えた。
すると怪しいおっさんはひきつった顔で言いました。
「今日の女の子のサービスがスーパーウルトラサービスっていう特別ものでしてね・・若干値上がりしますがこのサービスを受けないと一生後悔しますよ!」
僕たちは顔を見合わせアイコンタクトで通じ合う。
なるほど!
もはや救いようのないバカ。
僕たちはついにスーパーウルトラサービスが待っている店内に入る。
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するとびっくり店内真っ暗。
しまった、たいまつを用意するべきだったかも知れない。
女の子らしい人物に手を取られてボックスの席に案内される。
女の子の柔らかい部分が僕の腕に当たっているのが解る。
う~ん来て良かった・・。
暗くて何も見えないがときおりカメラのフラッシュのようなのが光る。そのせいでせっかく暗闇に目が慣れてきそうになってもまた見えなくなる。
流石にこれは怪しいと思いだしたときに隣にいる女性が僕に語り掛ける。
「お客さんはいま平民なのね。だけど1回6000円払うことで平民→富豪→大富豪→将軍→大臣→王様ってランクアップできるの。ランクアップすると私たちのサービスも凄いことになっていくよ。」
なぜ途中で民間人から王族に変化するのかは謎だったがそんな事はどうでも良かった。
僕は女性に言い返す。
「さらに金とるとか、当初の話と全然違う。さすがに胡散臭いんだけど・・・なんも見えないし。たいまつある?」
すると背後に座っていた友人Aの方から絶望的な声が・・・。
大臣にランクアップ~♪ありがとうございまーーす。
ランクアップしてるし!!!wしかも大臣かよwww
僕はAに叫んだ。
「ちょっと待てよ!この店なんかやばくないか?出た方が良い気がする。」
僕が自分の席から立ち上がった瞬間、突然店内の明かりがパッとついた。
そこには信じられない光景が・・・・。
女の子たちは確かに数人いたんだが・・・・
全て巨漢!!100キロあるんじゃないかっていう女ばかり。僕の腕に当たっていた柔らかい感触は彼女の腹の肉だったとすぐ認識した。
なんてことだ!トロルばかりじゃないか!
布の服しか装備していなかった僕たちパーティーに勝ち目は無かった。
一匹のトロル(デブ女)が叫ぶ。
「はーい、お客さん達お帰りでーす!ぐふふ」
その声と同時に強面のお兄さんが4人店内になだれ込む・・・・。
聡明な読者の皆さんにはもうお解りだと思うが・・・・・。
この店はぼったくりだったのだ!
アサシンダガーを装備しているかもしれない彼らに立ち向かえる訳もなく、僕たちは圧倒的な武力の前にあっけなく屈服し、謎の慰謝料を含めた一人5万円の支払いに応じることになるのだった。
若気の至りとはいえ、バカ同士ですすきのの繁華街を歩くことがいかに危険な事なのかを痛感する事件となった。
次こそは装備を整え、しっかりとレベルを上げてから再度挑戦しようと心に誓うのだった。
今回は下書きにあった記事を一部編集して投稿しました。
細かく書けば本当はいろいろあったのですが、諸事情を考えて割愛しましたw
それではまたね(^^)/