こんにちは!AzuYahiです。
僕は土木の仕事をしています。
土木の仕事ではアルバイトのおじさんを雇うことが多く、いろいろなおじさんと出会う機会があります。
今回はそんなおじさんの一人のお話です。
左手に違和感
アルバイトは主に外での作業になるので、みんな軍手を着用します。
そのおじさんも軍手を着用して作業をしているのですが、何か違和感を感じるのです。
おじさんがスコップ等を握った時にいつも小指が立っているのです。
まあ、小指がたつなんてよくある事です。
僕もカラオケでマイクを持つと必ず立ちます!
でもこのおじさんは左手の小指だけが立つんです。
しかもよく見ると軍手の立っている小指の部分がいつもふにゃふにゃなんです。
まるで小指がついていないかのように・・・
思い切って聞いてみた
僕は気になって仕方なくなって、思い切っておじさんに聞いてみることにした。
「すいません。どうしても聞きたいことがあるんですけど・・・」
「はい!なんでしょう?」
「左手の小指・・・・」
「ああこれですか。ないですよ!小指(^^♪」
やっぱり・・・
ってか、ずいぶん爽やかに返されたな(;^_^A
それからおじさんは自分の過去を語ってくれました。
おじさんの過去
おじさんはやくざではなくて昔フリーの大工をやっていたそうです。
フリーの大工さんは仕事がある時はかなりの金額が懐にはいるらしいのですが、逆に仕事がない時は食べていくのがやっとで切り詰めた生活をしなくてはならず、日常の生活のストレスが溜まっていったそうです。
だからたまに仕事が入って大金が入るとストレス発散で大工仲間とある遊びにはまっていったそうです。
その遊びは・・・・ギャンブルでした。
最初はお金がある時にだけやっていたらしいのですが、そのうち借金までしてやるようになったそうです。
ついに借金が自力で返済できる額を超えてしまったおじさんと友人は話し合ってある決断をしたそうです。
おじさんのありえない決断
「AzuYahiさん。大工の商売道具って何だと思います?」
「え?大工道具とかですか?」
「まあ道具は必要ですけど・・・。一番大事なのは手なんですよ。俺たちは手がおしゃかになってしまったらもう商売はできません。だから、万が一に備えて指に1本1本保険をかけてるんですよ。でもね、実際のところ小指ってのは大工仕事には無くても困らないんです。」
「ま・・・まさか。自分で小指を・・・・」
「映画じゃあるまいし自分で小指を切断するなんてそうできませんよ(笑)」
「じゃあ、どうやって・・・?」
「友達に鉈で俺の指を切ってもらって、そのあと俺が友達の指を切ったんですよ。」
「・・・・・・・。」
「時効とはいえあんまりいい話じゃないんで周りには内緒で(笑)」
僕が呆然としているなか、おじさんは仕事に戻っていきました。
ギャンブルに負けて指を失うなんて・・・・
カイジかよ!
と心の中で叫んでいました。
おまけ
それから何年かたって、偶然そのおじさんにばったり会いました。
僕とおじさんは懐かしさもあり近くのカフェでいろいろお話をしたんですが・・・
最近、皮を切ったそうです。
ようやく長年のコンプレックスから解放されたと言っていました。
詳しくは書きませんが察してください(;^_^A
それではまた(^^)/
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