こんにちは!AzuYahiです。
この前部屋を整理しているとホタテ貝で作られたキーホルダーが出てきました。
中学の時の宿泊学習で記念に作成した自作のものでした。
このホタテのキーホルダーはとても出来映えが良く、商品として店頭に並んでいても違和感が無いくらいの完成度でした。
しかし、僕はとてつもなく不器用で、物作りに関しては才能のかけらもありません。
では、そんな僕が作ったキーホルダーがどうしてここまでの完成度なのか?
それにはとても痛い思い出があるのです。
今回はその時のお話をしたいと思います。
中学2年生の時に学校事業である宿泊研修がありました。
みんなで泊まりがけでいろいろなイベントをしながら生活するというとても楽しい行事でした。
宿泊研修の締めとしてみんなで貝殻を使用したキーホルダーを作成する事になりました。
宿泊施設は海岸沿いにあるので、おのおのが浜辺に出てキーホルダーの素材になる貝殻を探します。
僕は小ぶりの可愛らしいホタテ貝を見つけたので、すぐにそれを材料にすることを決めました。
各自、自分の貝殻を見つけて作業室に集合すると、作業をする為の長テーブルを物置から出して並べはじめました。
みんな1つずつテーブルを運んで並べていったのですが、引率の先生が5段になって積んである机の片側を持って近くにいた僕に声をかけました。
おい、AzuYahi。そっち側を持ってくれ。一緒に運ぶぞ。
僕は先生に言われるままに反対側の机の端に手をかけました。
少し力を加えてみると思っていたよりはるかに重く、持ち上げることは可能だけど歩くことはしんどい気がしました。
先生、机を1つ減らしませんか?かなり重いですよ。
先生は笑顔で言いました。
なんだなんだ、男なのにだらしないぞ。先生と一緒だから大丈夫だ。1,2の3で持ち上げるぞ。
僕は不安でしたが先生がそう言うのならと持ち上げる準備をしました。
1、2の3!
先生のかけ声と共に僕は机の端を思いきり持ち上げました。
思った通りかなりの重さでした。
僕は持ち上げながら先生の方を見ると、顔を真っ赤にして手をぷるぷるしていました。
先生大丈夫ですか?いったん降ろしましょうか?
僕が先生にそういった瞬間、僕の持ち上げていた机が突然一気に重くなりました。反対側の先生が机から手を離したのです。
僕1人の力では支えきれずに机はもの凄い音を立てて下に積んである机の上に落下しました。
ガシャンッ
その瞬間、右手に激痛が走りました。
僕の右手の親指以外の4本の指が机と机の間に挟まったのです。
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いてててててて!
僕が激痛のあまり叫んだので、周りにいる友達や先生が慌てて指に乗っかっている机を持ち上げてくれました。
僕はすぐに隙間から指を引き抜くとおそるおそる右手を確認しました。
僕の右手の4本の指からは血が勢いよく流れていました。4本の指の爪が粉々に砕けていたのです。
引率の先生は顔面蒼白でしばらく呆然としていましたが、すぐに我に返って僕を医務室に運んで応急処置をしてくれました。
4本の爪が同時に砕けたので激痛も相当なものでしたが、指の関節にも痛みがあったのでそのまま保健の先生の車に乗せられて病院に直行しました。
僕に怪我を負わせた引率の先生も同行しようとしましたが、他の生徒もいるので残っているように言われてしぶしぶその場に残りました。
僕の怪我は爪は完全に無くなりましたが骨には異常が無かったので治療をした後にすぐに宿泊施設に戻りました。
戻るとみんなキーホルダー作りをしていましたが、僕の右手は包帯でぐるぐる巻きだったので思い出のキーホルダーを作ることはできず、見学することになりました。
僕が見学をしていると、僕に怪我を負わせてしまった先生が謝罪をした後に言いました。
キーホルダーの素材って持ってるか?先生がお前のキーホルダーを代わりに作るから渡してくれないか。本当にすまなかったな・・・。
僕はポケットからこぶりのホタテ貝を取り出すと先生に渡しました。
先生はホタテ貝を受け取ると、何かに取り憑かれたようにキーホルダー作成の作業をしていました。
きっと僕に対する罪滅ぼしの為に一生懸命頑張ってくれたのだと思います。
(先生、めちゃ痛かったけどありがとう。)
僕はそう心の中で思ったのでした。
こうして僕の手元にはとてもクオリティーの高いホタテ貝のキーホルダーが残ったのです。
でも先生が作ってくれたキーホルダーを見る度に、あの時のすさまじい激痛を思い出してしまうので、僕はホタテ貝のキーホルダーを引き出しの奥にしまったのでした。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
それではまたね(^_^)/