こんにちは!AzuYahiです。
前回の続きです。
中尾さんはおもむろに立ち上がると不敵な笑みを浮かべながらサンドバックを叩きはじめました。
ズドンッ!ズドンッ!ズドグキッ!
とてつもない重いパンチをサンドバックにはなっていた中尾さんだったのですが、3発目は明らかに変な打ち方をしたらしく手首を痛めて苦痛の表情を見せました。
しばらく手首を押さえて苦しんでいる中尾さんは僕らは呆然と見つめていました。
ようやく痛みが引いたのか中尾さんは再び不敵な笑みを浮かべて僕たちに話し始めました。
兄さん、セイジ君。来てくれて嬉しいぞ!うちに来たって事はアームクラッシャーゲームに参加すると受け取って良いんだよな?
僕はそもそもアームクラッシャーゲームってなんなの?と聞きました。
中尾さんは得意げにアームクラッシャーゲームのルールを説明してくれました。
・じゃんけんで先攻か後攻かをを決める。
・攻撃側は守備側の二の腕の外側をパンチで殴る。
・守備側は二の腕に力を込めてパンチに耐える。
・守備側が耐えることができれば攻守交代する。
・どちらかがギブアップしたら終了。
・パンチする腕と防御する腕は同じで無ければならない。
僕は思わず言いました。
要はただの肩パンってこと?
まあ、そうとも言うな・・・。
中尾さんは少し不快な表情見せながら言いました。
だったら初めから肩パンって言えや。アームクラッシャーゲームとか言うから興味本位できてみたけどくだらねぇ。セイジ帰ろうぜ。
僕がセイジに帰るように言うと、セイジはそんな僕を制止しながら言いました。
どうせ暇だし、俺はやってみようかな。なんか中尾さんのあの余裕ぶっこいた態度もむかつくし。
どうやらセイジはやる気満々のようでした。
まあ、確かに暇なので僕もセイジと中尾さんの肩パン勝負を観戦することにしました。
中尾さんは満足そうにセイジの肩をぽんぽんと叩きながら言いました。
おお~勇者よ!君のその無謀な勇気に敬意を表する。それに答える為にも俺も全力を持って君を葬ろう!
なんなんだこいつは・・・。何かに取り憑かれているのか?
何かになりきっているのか知りませんが、ほんとどう対応して良いか解らないキャラです・・・。
中尾さんとセイジはまずはじゃんけんで先攻と後攻を決めました
先攻は中尾さんでした。
悪いなセイジ君。俺が先攻って事は勝負はもうついたな。
中尾さんはセイジにはやくも勝利宣言です。
あ?なんでだよ!
セイジが中尾さんにそう言うと中尾さんはいつもの不敵な笑みを浮かべながら言いました。
俺の一撃で君は再起不能になるからだよwwセイジ君。さあ、ちゃんと構えなさい!死ぬぞ?
セイジはやれるもんならやってみろと言うと、二の腕に力を込めて防御態勢をとった。
セイジの防御態勢を確認すると中尾さんは空手の正拳突きのフォームをとるとそのまま叫びだしました。
はぁ~~~~~~~~~~!
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ドラゴンボールでよく気を貯める時にやっているあれでした。
そして、雄叫びが終わると中尾さんは小声でぶつぶつ言い出しました。
40%・・・50%・・・60%・・・70%・・・80%・・・90%・・・・。
そこまで言うと再びはぁ~~~~と叫んで、最後に大声で言いました。
100パーセント!!!!
なにやらいろいろな漫画が混ざっているようです・・・。
100%の宣告と同時に中尾さんの渾身のパンチはセイジの防御した右腕に炸裂しました。
バチ~~~~ン!!
すごい炸裂音が部屋中に響き渡りました。
いてぇ~~~~~~~~~!
セイジは悲鳴を上げると右腕を押さえてうずくまりました。相当痛そうです。
音から察しても相当強烈なパンチだったのでかなり痛いでしょう。
セイジはそのまま学ランを脱いで腕を確認すると、殴られた箇所が紫色に内出血していました。
中尾さんは勝ち誇ったようにセイジに言いました。
さあ、次はセイジ君の攻撃だよ。俺の鉄壁の防御を崩せるかな?というよりその腕じゃもはや攻撃は無理かなw
セイジは右腕をあげようとしますが激痛でそれすらも困難のようでした。
セイジはめちゃくちゃ悔しそうでしたが、腕が相当痛むらしく潔く負けを認めました。
これってさ、攻撃も防御も同じ腕って事は先攻が圧倒的に有利って事だよな。腕にダメージが残ると次のターンの攻撃に影響するから・・・。そうなると最初のじゃんけんがめちゃ重要だな。
僕がそう言うと中尾さんは勝ち誇ったように言います。
運も実力のうちって事だね。さて、兄さんはゲームに参加するの?しないの?
こんなメリットの無いゲームに参加する意味ってあるのか?
でもこのまま、やられっぱなしじゃ悔しいし・・・・。
僕はやるかやらないかを悩んでいましたが、この時まで全く気づきませんでした。
僕とセイジを誘ったヒロミの姿がいつの間にか部屋から消えていたことを・・・・。
そしてそのヒロミが再び部屋のドアを開けてました。
どうやらどこかに行っていたようです。
ヒロミはかなり興奮気味に中尾さんに言いました。
中尾さん!すごいゲストが来てくれたぞ!ダメ元で誘ってみたら参加してやるってさ。
興奮するヒロミの背後からとてつもない巨漢が姿を現しました。
それは僕が通うR高のてっぺんであるバ王でした。
つづく