こんにちは!AzuYahiです。
前回の続きです。
めちゃ熊出るやん
僕はB山隊の一員として三角点を目指すべくもくもくと山を登りはじめました。
針葉樹が密集している箇所を登っていったのでわりと歩きやすく、他ののメンバーと談笑しながら歩く余裕がありました。
針葉樹が多い箇所はくま笹があまり生えていないのでとても歩きやすいのです。
そしてしばらく歩くと、前衛を歩いていたハンターが僕たちを制止しました。
前方に熊がいるから少し待ってね(^_^)
ハンターはそう言うと弾を素早く装填すると、スコープをのぞき込み一発撃ちました。
ダーン
銃声は山一体に響き渡りました。
ハンターは再度スコープをのぞき込むともう一発発射しました。
ハンターはもう大丈夫と言うとライフルを再び肩にしょいました。
僕はハンターに近づき尋ねました。
全然見えなかったけど熊を撃ち殺したんですか?
いやいや、熊の周辺の立木を撃って威嚇したんですよw熊はビビって別の方向に逃げていったのでしばらくはこの辺には近寄らないですよ。
このハンターは50代のベテランハンターで、気さくでとても面白い人でした。生き物を無駄に殺したくないので護衛の時は威嚇して追っ払うだけにしていると言っていました。
僕は心の中でじゃあなんでハンターなんてやってんの?と思いましたが口には出しませんでした。
隊列の一番後ろには60代のベテランハンターがもう一人ついていましたが、この人は無口であまり喋りませんでしたが、その鋭い目は常に獲物を探しているように見えました。
なんにせよ頼もしいハンターが二人もいるのだから熊は安心だろうと恐怖はいくらかやわらぎました。
しかし、その後ハンター2人はしきりに僕たちを制止します。
あちらこちらで熊を発見しては威嚇射撃を繰り返します。
僕はいろいろな現場を巡ってきましたが、後にも先にもこれだけ熊が出没するパターンは初めてでした。
前衛のハンターは苦笑しながら僕に言います。
俺たちもたまには見逃すこともあるかも知れないから、皆さんも熊に注意しながら歩いてくださいね(笑)
いやいや、笑うとこじゃなし。。。
それからは僕たちも熊に注意しながら歩いたので疲れがどっとたまりました。
3時間歩いて三角点まであと1時間くらいまで到達したころ、熊の気配はなくなりましたが新たな試練が待ち受けていました。
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ハイマツの海を越えろ
B山隊の班長が指を差して言いました。
山頂が見えるぞ!あそこに三角点がある。
班長が言うようにたしかに指を差す方向には目的地の山頂がはっきりと見えました。
しかし、山頂までの道のりにはとんでもないものが密集していました。
ハイマツです。
高山に生息する針葉樹で、樹高は1m~1.5mほどの小柄な木ですが、枝が茨のように伸びており、密集して生えているので隙間をぬって歩くのはほぼ不可能でした。
偵察隊からハイマツの存在を聞かされていましたがまさかここまでとは・・・・。
画像はイメージです
山頂まで延々と続くハイマツ。
これを突破する方法は1つしかありません。
ハイマツの上を歩行するのです。
ハイマツの枝の上を注意しながら歩くのですが、樹高が1m以上あるので枝の隙間に落ちてしまうと、枝が体に絡まり脱出するのが困難になります。
場合によってはハイマツを伐採しないと脱出できません。
僕たちは細心の注意を払いながらハイマツの上を歩きます。
皆がそれぞれ測量機などの荷物を背負っているのでなおさら難易度が上がります。
あと少しで頂上
あと少しで頂上
僕は心の中で自分を励ましながら必死で山頂を目指します。
そしてついに・・・・・
僕たちはB山の山頂に到達したのでした。
僕たちは全身汗だくでヘトヘトでしたが、そこから見える絶景が疲れを癒やしてくれました。
山頂の景色というのは本当に素晴らしいですよね。
これが仕事で無ければずっと眺めていたかったのですが、時計を見ると午前9時30分でしたので急いでGPS測量機を三角点に設置しなくてはいけません。
山頂に植物はほとんど生えていなかったので、三角点をすぐに発見することが出来ました。
三角点には前にここに来た人が設置したと思われる木製のポールと旗がたっていました。
僕たちは急いでGPS測量機を設置すると無線で他の班と連絡を取ります。
他の班もGPS測量機を設置できたことを確認できたのでAM10時ちょうどに観測を開始しました。
後は観測終了までの時間を待機して終了したらもう一度同じ観測をおこない、終了したら下山することが出来ます。
僕たちは待機時間に持参した食事をしたり、談笑したりとゆっくり出来る予定だったのですが、ここで今回最大の試練が僕たちを襲うのでした。
続きはまた次回。
それではまたね(^_^)/