こんにちは!AzuYahiです。
前回の続きでようやく最終回です。
原田は無言で僕の方に近寄ってきました。
そして有無を言わさず僕の顔面を殴りつけます。
とても重いパンチで意識が飛ぶんじゃ無いかと思うくらい効きました。原田はその後も僕を殴り続けました。
合計7発。
何故か今でも殴られた数ははっきり憶えていますw
ショウスケとやった時は何十発も殴られたはずですが、原田の7発の方がはるかにききました。膝は笑っているし、頭もくらくらします。
すると原田が意外なことを言いました。
「よし、もう勘弁してやる。今後なめたまねするんじゃねえぞ。」
僕は殺されるかもと思ってここに来たので、え?もう終わりっていうのが本音でした。
でもこの時あることに気がつきました。
原田が息切れをしているのです。そして顔色もかなり悪い・・・。
そんなに激しく動いていないはずなのにこの息切れは尋常じゃ無い・・・。
そして原田一派を見渡すと、ほとんどの奴の顔色が真っ青でした。
この倉庫に入った時から気づいてはいたんですが、もの凄いシンナー臭でした。
僕は全てを察すると原田に言いました。
「余計なお世話かも知れないけど、アンパンだせーから辞めた方が良い。そんな貧乏くせーもんで廃人になったらさすがに笑えねえぞwあんた、せっかくこんなにすげー奴なんだからこんなんで潰れるのはもったいないべ。」
原田は再び僕に近づいてきて僕の襟を掴んで言いました。
「おめーおもしろい奴だなw・・・・・今日から俺らと一緒につるむか?」
なんと原田は僕を仲間に誘ってきました。
でも僕の腹は既に決まっています。
僕は腫れ上がった顔で必死に笑顔を作って応えました。
「わりぃー俺はやっぱこういうの向いてないみたいでさ、明日からは普通に生きていくって決めてんだ。」
僕は倉庫から立ち去ろうとすると後ろから怒鳴り声が聞こえました。
「原田君が許したってな~俺はテメーを許さねぇぞ!」
声の正体は物乞いでした。手には金属バットを持っています。
僕は正直、原田から受けたダメージでふらふらだったんですが、妙にムカついたんで思わず言い返してしまいました。
「お前まだR高にいたのか?東京にでも行って本格的に物乞いになったかと思ったぞww」
物乞いは発狂して金属バットを振りかざして僕に突進してきました。途中で原田が物乞いを静止しましたが、奴の耳には入っていません。
これはやられるな・・・・そう思いましたが物乞いだけはどうしてもムカついちゃったんですよねw
突進してくる物乞いを誰かが思いっきり突き飛ばし、物乞いは凄い勢いで転倒しました。
バ王でした。
「テメーの出る幕は無いんだよ。空気読めよカス。」
バ王にそう言われた物乞いはあろう事か今度はバ王に金属バットで殴りかかりました。その後、物乞いがボロ雑巾のようにされたのは言うまでもありません。
こうして僕らと原田一派のゴタゴタは幕を閉じたのでした。
そして数日後、僕は仲間達を全員集めました。僕とトモが原田一派にやられた事もあり人数は5,6人減っていました。
「みんなに言っておきたいことあるんだけど、俺は今日から無意味な喧嘩もしないし、他人に舐められても知ったことじゃない。普通に面白おかしく学校通えれば良いかなって思ってる。だから変な期待をして俺についてきている奴は俺から離れた方が良いぞ。話はそれだけだ。」
これで利権絡みで僕についてくる奴もいなくなるだろう。
僕はその場を立ち去りました。
すると後ろからセイジが追いかけてきました。
「兄さん、なんか食いにいかね?」
ハル坊も話に入ってきました。
「俺はラーメンが良いなw」
そして意外にもトモも入ってきました。
「昨日パチンコ勝ったから、今日は俺がおごるわ。」
僕はトモに言いました。
「俺はてっぺんなんて目指さねえぞ?喧嘩だってもうする気は無い。」
トモは照れくさそうに言いました。
「俺は兄さんが好きだからつるんでるだけだから、お前が別の道を行くんなら俺もついて行くよ・・・。」
僕は後ずさりをしながら言いました。
「わ、わりー・・・・俺そういう趣味無いから(@@;)」
「そういう意味じゃねーって!!」
トモは顔を真っ赤にして叫びました。
高校1年生の3月。
僕は最高の仲間達と共にヤンキー生活から足を洗いました。
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その後
その後の経緯について簡単に説明します。
僕
それからは何の問題も無く平穏に高校生活を送る。ヤンキーやめても喧嘩を売ってくる奴はいなかった。人に殴られることも無くなったが、殴ることも無くなった。
コウイチ
いろいろ愚痴を言いながらも辞めずに働き続けている。お金を貯めてバイクを購入するのが目標らしい。職場で年上の彼女が出来たそうだ。
セイジ
僕と共に平穏に学校生活を送るが、卒業間近にまさかのタバコによる停学。3回目の停学だったので退学の話も上がったが、必死に土下座してなんとか退学は回避した。
ハル坊
日増しに金の腕時計や金のネックレスなど光り物のアクセサリーの着用が目立つようになり、もはやどっからどうみても893にしか見えなかった。
トモ
無駄なもめ事は起こさなくなったが、新1年生が生意気だと言う理由で集団土下座事件をおこしてしまい無期停学処分となる。このエピソードについてはここでは割愛する。
原田
アンパンは辞めたようだったけど、2年生に上がってすぐに他校と大規模な傷害事件を起こし退学処分となった。この事件で原田一派の半分以上が退学処分になった。
物乞い
アンパン中毒から抜けることが出来ずに学校にも来なくなり、いつの間にか自主退学していた。もしかしたら現在は本当に物乞いになっているかも知れない。
ショウスケ
2年の初めにショウスケ一派はサッカー部に電撃入部。それから卒業までの間女子達の黄色い声援を浴び続ける。こいつが一番勝ち組!
バ王
原田が退学になった事によって、事実上R高のてっぺんになる。しかし本人にその自覚は無いらしく今までと何も変わらなかった。
卒業
卒業式の日を迎えました。
入学式の時は卒業までの道のりがあまりにも困難に見えて絶望しましたが、今では卒業までの道のりが僕の人生にとっての宝になっていると確信できます。
実際に卒業までに学校を辞めた人数は30人を超え、全体の4分の1にのぼります。
コウイチは残念でしたが、そのほかの仲間はみんな卒業できたので良かったと思います。
卒業式が終わり、校門から出るとコウイチがバイクで待っていました。ハル坊も家業の後を継ぐ条件で買ってもらった自動車を持ってきました。
コウイチは僕らに手を振ると叫びました。
「てめーーら!卒業おめでとーーー!」
僕はコウイチにお前は残念だったなと言うと軽く頭を小突かれましたw
「で?これからどうするんだ?」
僕が聞くとコウイチは笑顔で応えました。
「海だ!海行くぞ!こういう時はとにかく海だべww」
僕はコウイチのバイクの後ろにまたがり、セイジとトモはハル坊の車に乗り、海に向かって走り出しました。
その後も波瀾万丈な出来事が僕を待っているわけだが、それはまた別のお話。
二次募集で入学した高校は悪の巣窟だった話
おしまい
あとがき
なんとか書き切りました。書けていなエピソードはまだまだあったんですけど、僕の力じゃこれが限界でした。個人の時代遅れな回想録をここまで読んでいただき、尚且つあたたかいコメントをたくさんいただいて本当に嬉しかったです。
高校1年生の思い出は僕にとって強烈な思い出であったので、記憶がかすれていく前にブログという形で残せたことにとても満足しています。
完全実話だったのでテンポ良く書けたと思います。
それではまたね(^_^)/
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