こんにちは!AzuYahiです。
今から約20年前のお話。
当時僕は6歳年上の先輩とよくぷらぷらと飲み歩いていました。
僕と先輩は行きつけのバーで飲んでいる時、先輩が僕に深刻な顔で話し始めました。
先輩「俺が前から狙っていたA子にさ~、昨晩会う機会があったんで告ったんだよ。」
僕 「え!まじっすか?それでどうでした?」
先輩「振られた・・・・。悩んでたみたいだけど今は付き合えないってさ。」
僕 「そうですか・・・。まぁ、今日はとことん飲みましょう(*^_^*)」
僕は先輩を慰めながらしばらく飲んでいたんですが、向かいの席で視線を感じました。少しぽっちゃりした20代前半くらいの女性でこちらをじっと見つめています。
口元にはかすかに笑みを浮かべながら・・・。
僕 「ねえ、先輩。向かいの席の女、さっきからこっち見てるんですけど・・・。」
先輩「あ~、またあいつか。」
僕 「知り合いですか?」
先輩「この店の常連らしくて、いつもあの席に座ってるんだ。あんまりじろじろ見るものだからこの間話しかけてみたんだよね。そしたら告られてさ(^_^;」
僕 「そ、そうなんですか・・・。でもなんだか気味の悪い女ですね。」
先輩「はぁ~、A子に振られて凹んでるし、あの女連れてホテルでも行こうかな。俺に惚れてるならやらせてくれるだろ。」
僕 「まじっすか!あの女は辞めた方が良い気がしますけど・・・。」
先輩は僕の忠告を無視して、向かいの女性に声をかけると二人で店を出て行ってしまいました。その女性は満面の笑みを浮かべていて、僕にはとても不気味に見えたことを今でも憶えています。
後日先輩にあの後の事を尋ねると、速攻でホテルに連れて行って男女の仲になったそうです。それからも先輩がやりたくなる度にホテルに行ってるとのことでした。
先輩にとって都合のいい女って訳です。
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それから1ヶ月後・・・・。
先輩にとって思いもかけない展開が待っていました。
前に先輩を振ったA子が心変わりをして先輩と付き合うことになったというのです。
先輩はとても有頂天になっていましたが、ある日、深刻な顔をして僕に相談をしてきました。
先輩「こうなってしまうとよ~。あいつをなんとかしなくちゃならん。」
僕 「例の女ですか?」
先輩「あいつは俺にすごい従順で俺の言うことは何でも聞くんだよ。だけど逆にそれがちょっと怖くてな・・・・。」
僕 「この件に関しては全面的に先輩が悪いんだから、正直に話をするしかないんじゃないですか?やっぱりケジメはつけないと!」
先輩「だよな。今晩にでもあのバーに呼び出してきちんと話をするわ。」
僕 「それがいいですね。」
その夜、先輩は彼女を呼び出して別れ話を持ちかけたそうです。修羅場が予想されたけど彼女はあっさりと承諾して店を出て行ったそうです。口元に笑みを浮かべながら。
それから1週間ほどして僕と先輩はいつものように繁華街で飲み歩いていました。
先輩とA子はうまくいってるみたいで、先輩の話はほとんどA子の話ばかり。
僕と先輩は次の店へと移動中だったのですが、交差点で信号待ちをしていました。
そして信号が青に変わったので僕と先輩は横断歩道を歩きました。
交差点でたくさんすれ違う人たち。
僕はぶつからないように注意して横断歩道を渡りました。
そしてふと先輩の方を見ると・・・・・。
先輩が横断歩道を渡りきったくらいの場所でなにやら立ち止まっています。
僕 「先輩?どうしたんすか?」
先輩「・・・・・・刺された・・・。」
僕 「え?」
先輩はちょうど股関節のあたりを手で押さえています。
そしてみるみるうちに先輩のズボンは赤く染まっていきます。
僕は突然のことでパニクって状況を把握できませんでしたが、とっさに僕たちのいる反対側の歩道に目をやると。
彼女が立っていました。
先輩に先週捨てられた彼女が立っていました。
手には確かに刃物のような物を持っているのが確認できました。
すれ違い際に先輩を刺したのです。
僕は頭にカッと血が上り、彼女に向かって全力で走って詰め寄ると手に持っていたナイフを落としました。
僕 「何考えてるんだあんた!」
彼女は僕に詰め寄られるとなにやらぼそぼそと話しているのが解りました。
満面の笑みを浮かべながら。
彼女「失敗しちゃった・・・もう少し横だった。」
そう・・・・、彼女が狙っていた箇所は股関節のすぐ横の部分だったのです・・。
幸い先輩の傷は浅く、命に別状はありませんでした。
彼女に刺されたのは自分が悪いからだと先輩は彼女を訴えませんでしたのでこの事件はそこまで大きくはなりませんでした。
しかし、刺された箇所が彼女の言うとおりもう少し横であったなら・・・・・。
そう考えると僕は今でも身震いしてしまいます。
皆様も軽はずみな不貞行為にはご注意を・・・・。
それではまたね(^_^)/
※このお話は実話をもとに作られたフィクションです。
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